よみもの
2025/04/04 11:07
レザークラフトを始めようと思ったけど、革がたくさんありすぎてどれが良いのかわからない。
そんなお悩みはないでしょうか?
いろんな革がありますが、選ぶ時は3つのポイントを押さえれば大丈夫です。
ここでは初心者の方に向けて、革についてのあれこれと選ぶ時のコツをご紹介します。
道具の選び方については、こちらの記事でご紹介しています。
▶︎ よみもの 「はじめに選ぶ道具 & 手縫いのざっくり手順」
\ 革選び 3つのポイント /
1 なめしの種類
はじめは「タンニンなめし革」がおすすめ
→ 固めでしっかりしているので作業しやすい
2 革の厚さ
はじめは1.2~1.7mmくらいの革がおすすめ
→ 十分な丈夫さがあって加工もしやすい
3 革の大きさ
パーツより外周2~3mmほど余裕のあるサイズに
→ 気候などで伸縮することもあるため
それでは、詳しく見ていってみましょう。
POINT1 なめしの種類
はじめは「タンニンなめし革」がおすすめ
動物の「皮」を工場で加工して、素材として使える「革」にすることを「なめし」といいます。
革は、なめし方の違いで、タンニンなめし革、クロムなめし革、に大きく分けられます。
性質やできることに違いがあるので、なめしの種類は1番確認しておきたいポイントです。
なめしを漢字にすると、革を柔らかくすると書いて「鞣し」です。まさにぴったりの表現ですね。

加工しやすいタンニンなめし革
はじめての方におすすめなのは、植物タンニンでなめされた「タンニンなめし革」です。
固めでしっかりしているので切ったり削ったりしやすく、図工のような感覚で作れます。
− タンニンなめし革の特徴 −
・固めでハリがあって伸びにくい
・やわらかい革に比べて加工しやすい
・コバ(切り口)とトコ面(裏面)を磨ける
・水で湿らせて刻印や型出しできる

吟面、トコ面、コバ
革は、表のなめらかな面を「吟面」、裏の毛羽立った面を「トコ面」、切り口を「コバ」といいます。
タンニンなめし革のコバとトコ面は、仕上剤を塗って磨くとツルツルに仕上げられます。
よく聞くヌメ革とはどんな革?
もともとは、吟面がほとんど加工されていないタンニンなめし革が、ヌメ革と呼ばれていました。
革そのもののベージュ色と自然な質感、日焼けで飴色になる経年変化が人気です。
近年では、染色された革も含めて、タンニンなめし革のことをヌメ革と呼ぶ傾向があります。
染色されたヌメ革も使ううちに色が濃くなったり艶が増したり、いろんな表情を楽しめる革です。

ヌメ革のサドルレザーを使ったウォレット。左は作りたて、右は8ヶ月ほど使用したものです。
ナチュラルのベージュ色は飴色に、よく擦れる所はあたりが出て風格のある色艶になっています。
▶︎ ヌメ革 サドルレザーの切り革
やわらかなクロムなめし革
クロムなめし革は、ジャケットやバッグによく使われているやわらかい革です。
タンニンなめし革に比べて伸び縮みするので、作業する時に少しコツが必要です。
− クロムなめし革の特徴 −
・やわらかく伸縮性があり傷付きにくい
・タンニンなめし革に比べて価格が安い
・コバ(切り口)とトコ面(裏面)は磨けない
・刻印や型出しはできない
*タンニンなめし革、クロムなめし革以外に、数種類のなめし剤を使ったコンビなめし革もあります。
POINT2 革の厚さ

はじめは1.2~1.7mmくらいの革がおすすめ
使う革の厚さで、アイテムの丈夫さだけでなく作りやすさも変わってきます。
はじめての革小物を作る時に悩んだら、1.2~1.7mmくらいの厚さを選ぶのがおすすめです。
− 厚さ1.2~1.7mmくらいの革は −
・薄すぎず厚すぎず、丈夫さも十分
・切ったり穴をあけたり加工もしやすい
・厚さ1種類だけでもいろいろ作れる
だんだんと慣れてきたら、アイテムによってはいろんな厚さを組合わせて作ってみてください。
例えばお財布なら、表を2mm、内装を1.5mm、カード入れは1.2mmなど。
厚さを工夫するだけでも、すっきりした見た目になったり、使いやすくなったりします。

厚さ1.7mmのヌメソフト。タンニンなめし革の中ではやわらかめで、使いやすくておすすめです。
お財布、バッグ、OD缶カバーなどなど、この厚さだけでいろんなアイテムが作れます。
▶︎ ヌメソフトの切り革
POINT3 革の大きさ
パーツ外周より2~3mmほど余裕のあるサイズに
革は気候などでわずかに伸び縮みすることもあります。作りたいものぴったりではなく、ひとまわり余裕のあるサイズを選んだ方が安心です。
パーツを切る時は、先に外周を2~3mmほど大きめに切っておくと、本番を切りやすくなります。

革の大きさの単位 デシ(ds)
革の大きさは、「デシ」という単位で表されます。
1デシ=10cm×10cmの面積です。
当サイトの切り革は、わかりやすいようにcmとデシの両方で記載しています。