よみもの
2025/04/21 20:59

この記事では、穴あけのガイドになる縫い線の付け方と、菱目打ちの使い方をご紹介。
菱目打ちは構え方から間隔調整まで、まっすぐ正確に穴をあけられるコツを詳しく解説していきます。
使う道具

1 菱目打ち 4本目 2mm幅 / 直線の縫い穴をあける
2 菱目打ち 2本目 2mm幅 / 曲線の縫い穴をあける
3 丸ギリ / 端の縫い穴をあける
4 ヘラ付きヘリみがき / 穴あけ前に縫い線を引く
5 木槌 / 菱目打ちを叩く
6 ゴム板 / 穴あけの下敷き
*菱目打ちの幅はお好みのものをお使いください。
▶︎ 手縫い道具・糸・ロウ
縫い穴あけの手順

1 ヘラ付きヘリみがきの溝の、山の高い方をコバに沿わせ、低い方を吟面に当てます。
2 縫い線は3mmが一般的です。革に押し付けながら前後させると、均等な幅で線が引けます。
3 両端の穴は丸ギリであけると目立たずきれいです。ゴム板の上で垂直に突きます。

4 丸ギリを貫通させて、しっかり端の穴をあけます。
5 端の穴に菱目打ち4本目を合わせて、軽く押して跡を付けます。
6 端の穴を避けて、縫い線の上に菱目打ちを垂直に立てて、木槌で叩いて穴をあけます。
\ ポイント /
POINT1 正確に穴をあける。失敗しにくい菱目打ちの使い方
菱目打ちは、叩いて穴をあけるシンプルな道具ですが、それだけにいろんなコツがあります。
垂直に立てて、ズレないように叩き、裏側も表と同じ所に穴があくのが理想的です。
正確にあけるためのポイントをまとめたので、作業の前に確認してみてください。

菱目打ちの構え方
1 垂直に立てるために、自分から見て縦に構えて作業します。傾いていないか確認しながら打てます。
2 叩いた時にブレないように支えるのも大切です。刃先から柄の上の方まで、全体をしっかり持ちます。
3 手の下に革がくる向きで、革を押さえながら作業します。革が動きにくく安定して打てます。

直線の打ち方
1 直線では菱目打ち4本目を使います。無理に1回であけるとズレやすいので、何回か叩いてあけてください。
2 前の穴に菱目打ちの刃を1本重ねながらあけると、等間隔な縫い穴になります。
3 段差は革端を切らないように注意します。位置を決めて、最後と同じく間隔調整(下記参照)して打ちます。

曲線の打ち方
1 曲線は菱目打ち2本目で位置を決めておくと整います。直線を4本目で打ち、曲線に来たら2本目を使います。
2 菱目打ち2本目を使って、前の穴に刃を重ねながら1つずつ穴をあけていきます。
3 曲線は左回りに打つ方がきれいです。右回りだと穴の切れ目が目立ってしまうことがあります。

最後の間隔調整
1 端の穴の5~10cmほど手前まであけたら、菱目打ちで端から軽く跡を付けて間隔が合うか確認します。
2 合わない場合は、前の穴に重ねる刃を少しずらして打ちます。
3 何度かずらしながら打って、端の穴までピッタリ合うように間隔を調整します。
* 合わない程度にもよりますが、間隔を狭めた方がきれいに見えやすい傾向です。
POINT2 菱目打ちのおすすめのピッチは?
ピッチとは縫い目の幅のこと。
菱目打ちのサイズを変えれば、作品の印象を繊細にしたり、手作りの風合いを強調できたりします。
また、サイズの違いで少し作業時間も変わってきます。
同じ距離を縫った場合、ピッチが狭い方が時間がかかり、ピッチが広い方が早く仕上がります。
菱目打ちのサイズは、糸と合わせて作りたい雰囲気で選んでみてください。
迷ったらまずは定番サイズの2mmを使ってみるのがおすすめです。
クラフト社の菱目打ちは、刃の幅で表記されています。縫い目のピッチ(幅)は以下の通りです。
- 刃幅 1.5mm / 縫い目のピッチ 3mm -
細めな糸でミシン縫いのような繊細な雰囲気に。
- 刃幅 2mm / 縫い目のピッチ 4mm -
よく使われる定番サイズでほど良い手縫い感。
- 刃幅 2.5mm / 縫い目のピッチ 5mm -
ざっくりとした縫い目で手しごとの温もりを強調。

POINT3 いろんな道具で縫い線を引いてみる
入門に便利なヘラ付きヘリみがき以外にも、縫い線用の専門道具がいろいろあります。
それぞれ特徴が違うので、製作に慣れてきたら作風や使いやすさで選んでみてください。
1 ネジ捻
革を削らずにしっかり筋を付けられます。縫い目がほど良く革に沈んで馴染みます。
2 ディバイダー
革を削らずに筋を付けられます。深く付けるのは苦手ですが、小回りが利いて使い勝手抜群。
3 ステッチンググルーバー
革を削って溝を掘ります。縫い目が深く革に沈んで馴染むので、厚い革や太い糸におすすめ。