よみもの
2025/04/24 09:13

お財布やバッグ、キャンプ道具やインテリアなど、どんなものでも作れるようになる革の手縫い。
革にあけた穴に糸を通していくので力もいらず、子どもから大人まで誰でも楽しめる作り方です。
この記事では、卓上でできる縫い方、道具で挟む縫い方、2種類の手縫いをご紹介します。
細かく解説していきますので、手縫い手順の振り返りにもご活用ください。
縫い穴のあけ方については、こちらの記事でご紹介しています。
▶︎ よみもの 「縫い穴のあけ方。菱目打ちで正確に手縫いの穴をあけるコツを解説」
使う道具

1 手縫いロウビキ糸 / ロウを擦り込んだ糸
2 手縫針 / 針2本で手縫いする
▶︎ 手縫い道具・糸・ロウ
手縫いの手順

ロウ引き糸を縫う長さの4~5倍でカットして、糸の両端に針を付けます。
縫っている途中で針が抜けないように、少し変わった取り付け方をします。
1-1 針穴に1cmほど糸を通します。
1-2 針穴で糸を刺し、折り返してもう1回刺します。
1-3 刺した糸を穴の方へ寄せます。
1-4 ①の糸を引きます。
1-5 ③の糸を引くと絡んだまま針から外れます。
1-6 糸を撚り合わせて(ねじって)取り付け完了。
2 反対側も同じように針を取り付けます。

3 手縫いします。始めと終わりは2目返し縫いして丈夫にします。(縫い方はポイント参照)
4 縫い目のキワで糸を切り、サイビノールを少し付けて糸留めします。
5 木槌の側面で縫い目を叩いて、革に馴染ませます。
\ ポイント /
POINT1 きれいに縫い目を揃えるための2種類の縫い方
革の手縫いでは、両端に針を付けた糸を使って、同じ縫い穴に表と裏から通して縫っていきます。
手順はいろんなやり方があって複雑そうですが、仕組みはかんたんです。

同じ縫い穴に糸を通すので、穴の中で糸が重なっていきます。
きれいに縫うためのポイントは、穴で交わる「糸の重なり」を一定にすることです。
正しく縫えれば、表から見た時にすべての縫い目が右下がりの斜めに揃います。
では、2種類の縫い方を解説していきます。どちらも仕上がりは同じなのでお好きな方で縫ってみてください。
決まった手順で行えば、糸の重なり方が一定になり、手縫いの効率も上がります。
卓上でできる縫い方
道具を使わないので、どんな所でも縫える縫い方です。

1 2目返し縫いするために、端から3つ目の穴に糸を通します。表側と裏側の糸の長さを揃えます。
2 始めは左に縫っていきます。裏の針を1つ左の穴に入れます。
3 表側に引き抜いたら、右に寄せて穴に隙間を作ります。

4 表の針を同じ穴の隙間に入れます。糸を刺さないように注意。
5 そのまま裏側に引き抜きます。
6 両側の糸を持って引き締めます。これで左に1目縫えました。

7 2〜6を繰り返して、端の穴まで縫います。
8 ここからは右に縫っていきます。裏の針を1つ右の穴に入れます。
9 表側に引き抜いたら、左に寄せて穴に隙間を作ります。

10 表の針を同じ穴の隙間に入れます。糸を刺さないように注意。
11 そのまま裏側に引き抜きます。
12 両側の糸を持って引き締めます。これで右に1目縫えました。

13 8〜12を繰り返して縫っていきます。
14 端の穴まで縫います。
15 終わりは左に縫って2目返し縫いし、糸を切って糸留めします。
道具で挟む縫い方
ステッチングホースやテーブルポニーで挟む縫い方です。両手が使えて作業スピードがアップします。

1 2目返し縫いするために、端から3つ目の穴に糸を通します。右側と左側の糸の長さを揃えます。
2 始めは奥に縫っていきます。左の針を1つ奥の穴に入れます。
3 左の針の下に右の針を重ねます。

4 重ねたまま右側に引き抜きます。
5 通した糸を手前に寄せて、穴に隙間を作ります。
6 右の針を穴に向けます。

7 右の針を同じ穴の隙間に入れます。糸を刺さないように注意。
8 左側に引き抜いて、両側の糸を持って引き締めます。これで奥に1目縫えました。
9 2〜8を繰り返して、端の穴まで縫います。

10 ここからは手前に縫っていきます。左の針を1つ手前の穴に入れます。
11 左の針の下に右の針を重ねます。
12 重ねたまま右側に引き抜きます。

13 通した糸を奥に寄せて、穴に隙間を作ります。
14 ここで右手をくるっと返し、右の針を穴に向けます。
15 右の針を同じ穴の隙間に入れます。糸を刺さないように注意。

16 左側に引き抜いて、両側の糸を持って引き締めます。これで手前に1目縫えました。
17 8〜14を繰り返して、端の穴まで縫います。
18 終わりは奥に縫って2目返し縫いし、糸を切って糸留めします。
▶︎ ステッチングホース
▶︎ テーブルポニー
POINT2 好きな糸を自分でロウ引きするやり方
レザークラフトではあらかじめロウが擦り込まれたロウ引き糸を使います。
自分でロウ引きすれば、麻糸など好きな糸を使って作品が作れます。
ロウ引きは糸を丈夫にする加工です。滑りが良くなり縫っている時に糸が傷まず、粘りが出てしっかり引き締められます。
できあがった作品を使う時にも、糸の擦り切れを防いでくれます。

1 必要な長さに切った糸(手縫いの場合は縫う長さの4~5倍)を、手縫いワックスに当てながら滑らせます。
2 6回くらい繰り返して、糸の端がピンと立つくらいになったらロウ引き完了です。
3 さらに丈夫にしたい方はドライヤーがおすすめ。艶がなくなるまで溶け込ませて、もう一度ロウ引きします。
* 冬場でワックスが硬い時は、ドライヤーでワックスを少し温めるとロウ引きしやすくなります。
▶︎ 手縫いワックス
▶︎ 手縫いワックス プロ用
POINT3 ナイロンやポリエステルの糸では焼き留めがおすすめ
ナイロンやポリステル製の糸は、最後の糸をライターで焼いて留められます。
糸端が玉状に溶けて抜けにくくなるので、化学繊維の糸を使う場合におすすめの留め方です。

1 縫い終わったら、2mmくらい残して糸を切ります。
2 ライターの火で糸端を溶かします。革を焦がさないようにライターは横にして近づけます。
3 溶けたらすぐにライターの底で押さえます。